僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「……」


……ヒカリはいつ、俺の親父に会いに行ったんだろう。


どんな風に、俺を虐待するなと、忠告したんだろう。


静かに怒りを見せたのか。それとも、声を荒げて怒ったのか。


どっちにしたって、想像するだけで、胸が熱くなる。そんなことをしてくれる人間が、この世の中にどれだけいるだろう。


それなのに……。


「クソ親父……」


ポツリと呟いた言葉に、リュウが、ユナでさえも俺を見た。


沸々と湧き上がる、親父への怒り。それは恐怖でもあり、羞恥でもあった。


ヒカリに忠告されても、何も変わらない。それ以上に、警察にまで言うなんて。


なんて愚かで、醜い。


「まあまあ、今の事態はお前のせいじゃねぇんだから。ヒカリならうまくやってくれるって。お前の親父さんのことも、天野の裏での悪事も、全部な」

「……」


ヒカリを信じてないわけじゃない。でも、怖いんだ。


俺だって、強く前に進みたいけど。背後から、ねっとりとした恐怖が、追い掛けてくる感じがして。捕まったら、二度と抜け出せない気がするんだよ。


……だから。

ヒカリだけは、失いたくない。


俺の、唯一の導だから。