「……」
……ヒカリはいつ、俺の親父に会いに行ったんだろう。
どんな風に、俺を虐待するなと、忠告したんだろう。
静かに怒りを見せたのか。それとも、声を荒げて怒ったのか。
どっちにしたって、想像するだけで、胸が熱くなる。そんなことをしてくれる人間が、この世の中にどれだけいるだろう。
それなのに……。
「クソ親父……」
ポツリと呟いた言葉に、リュウが、ユナでさえも俺を見た。
沸々と湧き上がる、親父への怒り。それは恐怖でもあり、羞恥でもあった。
ヒカリに忠告されても、何も変わらない。それ以上に、警察にまで言うなんて。
なんて愚かで、醜い。
「まあまあ、今の事態はお前のせいじゃねぇんだから。ヒカリならうまくやってくれるって。お前の親父さんのことも、天野の裏での悪事も、全部な」
「……」
ヒカリを信じてないわけじゃない。でも、怖いんだ。
俺だって、強く前に進みたいけど。背後から、ねっとりとした恐怖が、追い掛けてくる感じがして。捕まったら、二度と抜け出せない気がするんだよ。
……だから。
ヒカリだけは、失いたくない。
俺の、唯一の導だから。



