僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「……アイツ、どっかで……」

「結構前からヒカリが調べてた奴だよ。天野だっけかな。写真くらいは見たことあんじゃねぇか?」


威光の仕事で写真なんて山ほど見るから、いちいち覚えてないけど、見たかもとは思った。


天野という男の背中がビルに消えるのを見ながら、俺はヒカリがひとり残った理由を知って、乱れていた気持ちが少しだけ落ち着く。


ヒカリが強いからと、信じて疑わなかったから。それを今さらながら、思い出したからだった。


ヒカリが個人的に調べていた上に1対1だなんて、よほどのことをしてるんだ。あの天野って奴は。


「ユナ~。大丈夫だから、もう泣きやめよ」


ずっと窓に向けていた体を革張りのシートに預けると、リュウが運転席から後部座席に身を乗り出した。


それでやっと俺もユナが泣いていたことを思い出し、隣にいるユナに視線を動かす。


いつから持っていたのか、茶色いテディベアのぬいぐるみを抱き締めて、ポロポロと涙を流していた。


左目からは流れていなかったけれど、眼帯の中は涙で濡れているのだろうか。


「ユーナー。待つ間、ずっと泣いてる気か? ほんっとヒカリッ子だよなお前は」

「……早く……帰りたい……」


どこに?


聞かなくたって、俺もリュウも分かっていた。自分の家ではなく、威光という、たったひとつの居場所。