僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「ヒカリ!」


俺の肩をヒカリが抱いたと同時に、階段からリュウが降りてきた。その後ろには、ユナを含む威光に救われた子たちと、大人である威光のメンバー。


「車持ってるやつは、みんな出して! バイクでも原付でもなんでもいい!」


わけが分からずに、ただみんながバタバタするのを呆然と見ていると、ガチャンと金属音が聞こえた。見ると、ヒカリがビルの入口の鍵を閉めていた。


「未成年出すのが優先! 裏口と非常口使え!」

……なんで。

「大丈夫だから。またすぐ会えるよ」

……なんで。


泣くユナを裏口まで行くように促したヒカリを見てると、ヒカリは俺に近付いて手を伸ばした。

「祠稀! 早く……っ」

「逃げるのか!?」


手を払い除けると、ヒカリは一瞬だけ目を見開いて、すぐに微笑む。


「事情も知らないのに、未成年が補導されるのは嫌だから。俺たち大人は残るよ。ほら、祠稀も早く……」

「俺は誘拐されたんじゃない!!」

「……祠稀、お願いだから」

「好きでここにいるんだ! 俺がそれを警察に話せばいいだけじゃねぇか! 家に帰ればいい話だ!」

「それじゃあダメなんだよ」


なんでだよ。なんでだよ。


「ユナだって家に帰るだろうが!」


何をされるかも分からないのに、ヒカリは止めないじゃねぇか。なのになんで、俺は止められるんだよ。