僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「俺は……ヒカリみたいになれない」


涙なんか流さなくたって、分かっていたのに。


いざ口にすると、自分はどうしようもなく子供で、無力だと思い知らされる。


「俺が帰れば、威光は守れるんだよ」


子供で、無力でもいい。


分からなくても、今自分ができることを精いっぱいやるしかないんだ。


もがいて、足掻くことしかできない。




「俺が帰れば、母さんは殴られずに済む!!」


俺だけでいい。

俺だけで。


俺が体を差し出せば、それで全部納まるんだから。


守りたい。
守る価値があるのか?
それでも守ってみたい。
俺は守られなくてもいいから。



親父を初めて殴った日。もう二度と帰らないと決めた。


だけど。

母さんが心配で。枢稀は大丈夫だろうかと、不安で。


憎いのは親父だけなんだ。母さんも、枢稀も、好きじゃないけど。


俺がいなくなったら、誰が親父の暴力を受けるんだよ。


あんなおぞましいことを、この身で充分知ってるのに。


俺ではない他の誰かに向けられて、喜べるもんか。