僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


――――…

木々が赤く染まり始めた頃。親父を初めて殴ったあの日から、1ヵ月はとうに超えているだろうけど、正確には分からないのが本当。


「祠稀、そわそわしてる……?」


俺はソファーに深々と座って、足元に座るユナを見下ろす。


「してねーよ」

「ビンボー揺すりしてるよ?」

「……してねーよ」


若干の恥ずかしさを覚え、俺は無意識に揺らしていた左足を止めた。


同時に大きな溜め息をつくと、片眼だけで俺を見上げたユナが首を傾げる。


「考えごと?」

「もうやめた」

「ふぅん?」というユナを見ていると、突然後ろから抱きつかれて、俺はまた溜め息をつく。


「まぁ~た考え事してたんだなぁ?」

「ヒカリ、ウザキモ」

「そんな呪文みたいに言わなくても!」


ぶつくさと何か言いながら、後ろから足を上げてソファーに座るヒカリ。


相変わらずの長髪に、口ピ。金色の眼はカラコンだと聞いたけど、似合うのはヒカリくらいだと思う。


「買い物してきたの……?」

「うん。飲み物とー、食材。ユナが好きなジュースも買ってきたよ!」


ユナと笑顔で話しながら、ヒカリは煙草に火を付ける。


目の前を流れる紫煙を眺めながら、俺はペットボトルのキャップを開けて、また考え事を始めた。