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木々が赤く染まり始めた頃。親父を初めて殴ったあの日から、1ヵ月はとうに超えているだろうけど、正確には分からないのが本当。
「祠稀、そわそわしてる……?」
俺はソファーに深々と座って、足元に座るユナを見下ろす。
「してねーよ」
「ビンボー揺すりしてるよ?」
「……してねーよ」
若干の恥ずかしさを覚え、俺は無意識に揺らしていた左足を止めた。
同時に大きな溜め息をつくと、片眼だけで俺を見上げたユナが首を傾げる。
「考えごと?」
「もうやめた」
「ふぅん?」というユナを見ていると、突然後ろから抱きつかれて、俺はまた溜め息をつく。
「まぁ~た考え事してたんだなぁ?」
「ヒカリ、ウザキモ」
「そんな呪文みたいに言わなくても!」
ぶつくさと何か言いながら、後ろから足を上げてソファーに座るヒカリ。
相変わらずの長髪に、口ピ。金色の眼はカラコンだと聞いたけど、似合うのはヒカリくらいだと思う。
「買い物してきたの……?」
「うん。飲み物とー、食材。ユナが好きなジュースも買ってきたよ!」
ユナと笑顔で話しながら、ヒカリは煙草に火を付ける。
目の前を流れる紫煙を眺めながら、俺はペットボトルのキャップを開けて、また考え事を始めた。



