「祠稀。……君みたいな子たちと、威光の仲間」
その言葉だけ俺を見て言って、ヒカリは再び街を見下ろしていた。
「祠稀にもできるといいなぁ。守るべき、存在が」
……何かを守る覚悟があるなら、この胸に渦巻く憎しみも、いつか消えるだろうか。
何かを守ろうと想えば、人は、優しくなるだろうか。
「この街にあるかもよぉ~? 祠稀が守りたいもの」
ヒカリがそう言うから、俺はネオン街を軽く見遣って鼻で笑ってやった。
「ねぇな。今日も汚れてますから、この街」
「うはは! んじゃ、今日も困ったちゃんを逮捕しちゃうぞっ!」
「キッッモ」
真顔でそう返して、俺はドアに向かう。
「ちょ、祠稀!? 今なんて言った!?」なんて、背後から聞こえる声は無視して、思い切りドアを開けた。
錆びた音とは相反して、俺の心は軽い。
胸の奥に、雨のように溜まる黒いものも、いつか雨が上がるように、消えてなくなる。
きっと、きっと。
いつか、きっと――…。



