僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「祠稀。強さは力だけのことじゃないよ。力でも、権力でも、金でもない。……さて問題ですっ。本当の強さはなんでしょう!」


背を向けていたヒカリがくるっと振り返る。俺は雨に触れた睫毛を気にも留めず、口を噤んだ。


……間違ってしまったら、ヒカリに捨てられないかと、心配で。


黙る俺の心の内なんか、ヒカリには筒抜けで。ふふっと、あやすように笑われる。


「捨てないよ、祠稀。絶対に、見捨てたりしない」

「……」

「俺はね、守り切ってから死ぬって、決めてるから」

「……守る?」


それが答えかと思ってヒカリを見つめると、また笑われた。


「答えは、覚悟だよ。本当の強さは、覚悟」


……覚悟?


ヒカリはフェンスに手をかけて、下界に広がるネオンを見下ろしながら話し続ける。


「人はね、守るべきものがあって。それを、守る覚悟があって。初めて強くなるの。俺の、勝手な意見だけどね」

「……ヒカリの、守るべきものって何」


勝手な意見なんかじゃない。


ヒカリの言葉は、いつも俺の中心を激しく揺さぶる。