僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「やめとけってユナ。ほっときゃ機嫌直んだろ」

「こら祠稀~! ユナが心配してくれてるよーっ」


ふたりとも言ってることが真逆で、ユナはどうすればいいのか分からなくなったらしい。隣の気配が、そわそわしているのを感じる。


「あっち行け」


仕方なく、俺はユナのほうを向いて言っただけなのに。


ヒカリが「あーっ女の子には優しいんだぁ~」とかなんとか言ってくるから、俺は振り向いてヒカリを思い切り睨みつけた。


「ほらほらぁ! 綺麗なままで、面白いでしょ」

「あー……だな。プッ!」

「~~っだぁもう! マジうるせぇ!」


俺は俊敏に立ち上がり、荒々しくリビングを出ていく。そのまま屋上へ続く階段を駆け上がって、錆び付いたドアの音を響かせた。


蒸し暑いとまではいかないけれど、まだ夏の陽気を含んだ空気を体いっぱいに浴びて、フェンスのほうまで歩く。


乗せられるがまま、近くにあった物を投げればいつも通りになったのに、そんな気分じゃなかった。


機嫌が悪いのを否定するつもりもない。


……でも、そうじゃない。


ただ俺が――…


「子供だなぁ、祠稀は」


ヒカリに構ってほしかった、だけなんだ。