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「……祠稀はどうしたの~ん?」
「さぁ? なんか家から出て来た時からずっと、機嫌ワリィのよ。帰りは後部座席に乗っちゃうしよ」
「どうしたのかなぁ~。俺、心配だよリュウ~。話してくれないかなぁ~」
……丸聞こえなんだよ、クソヒカリ。
俺は家から威光のビルに帰ってきてからというもの、誰とも話してない。誰とも話したくない。
近付くなと言わんばかりに、定位置のソファーではなく、端っこにある簡易なカウンター席に座ってまでして、そう主張していた。
背後から聞こえるヒカリとリュウの会話に何度か反応しそうになったけれど、背は向けたまま。
「でもさぁ~、祠稀って綺麗な顔してるじゃん。だからさぁ、怒っても綺麗だから面白いよねぇ~!」
ケタケタ笑うヒカリを殴りたいと思った時だった。
「あ。こら、ユナッ」
リュウの声と共に、ユナが隣に現れたのは。
「祠稀、どうしたの」
後ろで手を組んで、腰を折り曲げて俺の顔を覗くユナを一瞬だけ見て、すぐに目を逸らした。



