僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「強くなれよ、チカ。誰よりも」

「……なるよ。なったでしょ?」


その言葉に、出逢ったばかりの弱っちぃチカを思い出して、思わず笑ってしまう。それに気付いたチカは不服そうに口を尖らせた。


「でも僕は、祠稀が1番じゃなきゃ嫌なんだ」

「はいはい、そりゃどーも」


フードの上からぐしゃっとチカの頭を撫で、頭を下げる他の仲間に軽く手を上げてからネオン街を出る。


「……強くなってもらわなきゃ、困るっつーの」


煙草をふかしながら呟いた言葉。それは願いでもあり、祈りでもあった。


……強くなれよ。俺よりもっと。


誰よりも、何よりも。そうでなきゃ何も守れない。何も救えない。


この狂った世の中と腐った大人たちに、屈服するなんて冗談じゃない。


「……狂ってんのは、俺か」


独白は雑踏によって掻き消される。


だけどもう、引き返せないことは分かっていた。



マンションへ向かう足が、重い。