「俺らに出逢う前は、どうだった?」
「何が?」
「自分の人生を、どう思ってた?」
俺もヒカリも視線を交えないまま、ただ前を見て話す。
俺はヒカリに聞かれたことを頭で二度繰り返してから、口を開いた。
「つまんねぇ、くだんねぇって思ってた」
「じゃあ、自分のことは?」
「……できそこないで、無意味な存在?」
ヒカリは「そう」と言って、空を仰いだ。
「……ねぇ、祠稀? 誰かのせいにするのと、自分のせいにするのは、どっちが楽だと思う?」
その問いかけに言葉を濁した。
どっちを言えばいいんだろう、と。
どう考えたって、俺は誰かのせいにする。でもヒカリは絶対そうじゃないと思ったら、怖くて。言葉は鉛のように重く、出てこない。
そんな俺に、ヒカリは「どっちでもいいんだけどね」と付け加えた。
じゃあなんでそんな質問をしたんだと、悩んだ自分がバカらしくなって。少し睨むと、気付いたヒカルは笑った。
「俺はね、全部のせいにする。何もかもが悪い。でも、何もかも正しい。俺のせいでもあり、誰かのせいでもある」
「……言ってる意味、分かんねぇ」
そう言いながら、その答えが1番ヒカリらしいと思った。



