「あー……クソ」
苛立ちながら制服を脱ぎ、適当に私服に着替える。
クローゼットの中から黒いボストンバックを取り出し、何着か私服を突っ込む。財布と携帯も入れる。
時計を見ると、夜11時。
制服を最後に突っ込み、ボストンバックを肩にかけた。そのまま部屋の電気を消して、ドアではなく窓に向かう。
ガラガラと音を立てて開けられた窓の下を見下ろせば、大きな樹。
……余裕だな。
玄関に置かず持ってきていた靴を履き、俺は手を窓の縁にかけて、脚を上げた。
飛び降り自殺って痛そうだよなと思いながら、俺は2階の窓から樹へ飛び降りる。
ズサササッと葉が擦れる音を立てながら、なんとか枝と枝の間に落ちた。親父にバレる前にと、枝から地面に飛び降りる。
やっぱり痛んだ足首に眉を寄せながら、俺は広い敷地を飛び出した。
大きく大きく、弾むような足取りで。



