「闇夜の影響って、メッセージになってなくね?」
「あちゃー……闇夜に光あれって訳すんだよ」
「……そう訳したいなら、英文間違ってね?」
じっと名刺ほどのカードを見つめていると、リュウに取り上げられる。
見上げると、リュウは意地悪く口の端を上げていた。
「いんだよ。ヒカリ、バカだから。それと、影響じゃなくて、威光。ヒカリの名にちなんで、そっちに訳した奴らがいて。そのメッセージカードは、もはや名刺だな」
「闇夜の威光のヒカリ。って俺、かっこよくなーい!?」
24にもなる男が、自分を親指でさして言う台詞じゃないと思うけど。俺は自分でも気付けないほど、とても自然に、笑っていた。
「ま、とりあえず今、俺が言いたいのは~……」
そして気付いた時にはもう、始まってしまったんだ。
「ようこそ祠稀、闇夜の威光へ!」
崩壊への、カウントダウンが。



