僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「僕、納得いかない」


夜空からチカに視線を移すと、目深く被ったフードから不機嫌そうな顔が垣間見えた。


「祠稀がシメないと、こいつらまた調子に……」


ゴッ!と鈍い音と悲痛な叫びが、街灯のない路地裏に響く。横目には、チカの嬉しそうな顔。


「お大事に」


力任せに蹴飛ばした男を見下ろして言うと、どこから舞ってきたのか、男のそばに1枚の椛が落ちた。


真っ赤で、椛なのか血なのかすぐに分からなくなったけど。



「げほっ……」


なんだ、まだ意識があったのか。


そう思って足元に転がる男を冷ややかに見下ろすと、男は青く腫れ上がった片目を瞑りながら、血の滲む唇を開いた。


「お前ら……ホントに…あの…」


続きを言う前に、チカが笑って言葉を遮った。


きっと何度も聞いた言葉だから、またかよ、っておかしくなるんだ。


俺は煙草に火をつけて、男が言いたかったであろう言葉を発する。