僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



――ガンッ!


「ってぇ……」

「学校で喧嘩したそうだな?」


殴られた衝撃で体を倒した時、肩をテーブルに強打して痛みが襲った。


親父を見ると、もうなんだか人間ではないんじゃないかとさえ思う表情で、俺を見下ろしている。


「聞けば、理由もなく殴ったそうじゃないか。ただ、腹が立っていただけだと」


ドサッと、偉そうにソファーに座る親父の後ろで、枢稀がまた馬鹿にしたような瞳で俺を見ていた。


親父は煙草に火をつけて、座ったままの俺の胸ぐらを掴む。学校から真っすぐ帰らない俺の夜は、いつもこうだ。


「お前の脳みそはどうなってるんだ? 勉強はできないくせに、暴力は得意なのか?」


……ああ、うるせぇ。
お前に言われたくねぇよ。


「私のおかげで処分はなかったものを……。聞いてるのか、祠……っ」


バッと、勢いよく胸ぐらを掴んでいた親父の手を払い除ける。そのまま親父を睨み上げると、頭を掴まれて床に叩きつけられた。


「枢稀」

「はい」


……なんだよ。今度は何する気だ、こいつら。