「勝手に死にやがって……クソが」


グシャッと前髪を掻き上げて、歯を食い縛った。


溢れる涙が、風を受けて温かさを失う。それが地面に染みを作ったのを見て、俺は目を覆った。


地面に流れる真っ赤な鮮血が、脳裏に浮かんだから。


「……っ……ごめん……」


謝ったって、許されはしないけど。願ったって、アンタは戻ってきはしないけど。神様なんて、信じてはいないけど。


謝らずには、願わずには、いられないんだ。


俺が、殺したから。


俺が、弱かったばかりに。誰かを守れるほど、強くなかったばかりに。


闇夜を照らす唯一の光を、俺がみんなから奪った。


「……ごめん。何も、返せなくて……」



――俺は絶対、忘れたりしない。出逢った日も、共に過ごした日も。俺に、居場所を与えてくれたあの日々を。


できそこないの俺を、初めてひとりの人間として見てくれのは、アンタだったのに。



ごめんな、ヒカリ――……。