僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ



「凪……ほら、泣かないで?」


腰に回された手を掴むと、いとも簡単に解けた。ゆっくり振り向くと、凪は首を垂らしている。


絶え間なく、シーツにシミを作っていたけれど。


「……す、い……」


ジャージの袖が涙で湿ってきた頃、凪が蚊の鳴くような声を出した。


「ん?」


飽きもせず頬の涙を拭っていると、凪は顔を上げた。綺麗に泣いた跡を見て、ほっとする。


生理的に泣いていたなら、まだ感情的に泣かれるよりは安心なんだ。


「……目、真っ赤だよ」

「……うん」


自分の手で涙を拭う凪の頭を撫で、ベッドに寝かせる。抵抗しない凪に布団をかけて、再び頭を撫でた。


「寝るまでいてあげる」


そう微笑んだ俺を凪はじっと見つめてから、申し訳なさそうに小さく頷く。



……分かってるよ。言葉にしなくたって、分かってるから。


「凪、大丈夫。俺が全部、消してあげる」


だから、おやすみ。