「凪。……凪、大丈夫だよ」
大丈夫だよ。と繰り返すたびに、ぎゅうっと腰に回された腕の力が強くなる。
「大丈夫だよ」
……何が、大丈夫なんだ。何も大丈夫なんかじゃないのに。
そばにいることしかできない。だから、大丈夫としか言えない。
それでも、そうしなきゃいけない。他に方法が見つからない。
俺の背中で声を押し殺して泣く凪が、どうか未来の凪が、幸せに笑っていられますようにと、願うことしかできない。
「……凪、俺がいてあげるから」
凪の望む未来には、ならないと知っているから。だから、少しでも、俺がいるだけで少しでも幸せだと思ってくれるなら。
俺は一生、凪から離れない。
きっとこの世で俺だけが、凪とずっと一緒にいられる人間だと思うから。



