朝、遅刻するかと思った。
ボサボサの髪を一通り誤魔化すために
今日は編み込みを入れた。
ご飯はジョセフィーヌと一緒に
きちんと食べて慌てて自転車に
飛び乗ってかっ飛ばした。
花壇のチューリップさんたちが
あたしを待ってるわ。
「待っててぇぇ」
果たしてその光景を誰が予想してた
と言うんだ。
自転車置き場にちゃりんこを適当に
置き去りにして急いで教室に行って
鞄を置き、いつもどおり花壇に行くと、
「ヒヨリン、おはよー」
ああ、何か嬉しく思っちゃうな。
昨日の言葉といい。
感動しちゃうじゃないか。
不良君たちが朝からおはよーなんて
言ってくれるとは・・・
「おはよ」
ありえないシナリオに飛び込んでもいいかな?
あたし、ちゃんと笑って高校生活送りたい。
「ねぇねぇ、ヒヨリンこの花って結局何?」
それはね、チューリップっていうんだけど。
知らなくて当たり前か。
不良君が花と睨めっこなんて似合わない。
ナル君には似合う可愛い花だけどね。
色とりどりのチューリップ。
赤に黄色にピンクに白、
紫に色とりどりのチューリップが
にっこり笑ってる。
「チューリップって何かエロいよな。」
何、言ってんだド金髪。
あたしが一番好きな花だぞ!!
つうか、お前知ってたのかよ。
マジでビックリだよ。
一番似合わないであろうお前が
知ってるなんて意外すぎて・・
ぶっ。

