Hurly-Burly 【完】


やはり、あたしはとてつもない難病に

かかったみたいだ。

夢遊病恐ろしいぞ!

あたしを虫食むとはこの野郎。

「あのさ、自己紹介してあげて?」

馨君は握手会に来た集団に目を向ける。

「えっ?」

みんな待ちに待った状態だった。

「「「「ヒヨリン」」」」

ああ、何かくだらないことばっかりだった。

変な妄想し過ぎて気付かなかった。

こういうの初めてだな。

誰かに自己紹介か。

「あ、えっ、立花日和15歳のぴちぴち

花の女子高生です。血液型は不明です!

身長はえっと・・・150ジャストです。

体重は39キロでもうすぐで40代です。」

て、照れる。

こんな大勢の前で言うとは思わなかったぜ。

人生初自己紹介だ。

「さ、・・・さんじゅうきゅう!?」

もっくんが驚きの表情を浮かべる。

「ちっこい、細ぇ、太れ。」

何だ、その三大原則!!

千治君がソファーでヌボーっと

しながら起き上がる。

「しかし、太れんのだよ。

ギブミーお肉!!」

よく食べる女だと言われる。

その体のどこに入るのだと

毎度ながら驚かれるほど食べる。

その癖、一向に身長が伸びない。

大きくなれと言われてたくさん

食べるようになった。

たくさん食べて父ちゃんみたいに

大きくなろうと頑張った。

けど、ちっとも伸びないんだ。

あたし、成長期はまだまだだと

思ってる。

まだチャンスはあるはずなのだよ。