別に否定はしないよ。
そういう人たちを変な目で見たりしない。
むしろ、温かい目で見る。
「っば、何想像してんだ!!」
ド金髪に小突かれる。
「は、鼻血止まらんよ。」
制服に着いたらクリーニング出さなきゃ。
しかし、困ったわ。
「上向け、上」
それ気持ち悪くなるヤツだよね?
「無理だ」
あたしは今日ここで死ぬらしい。
「ばっきゃろう、グダグダ言ってんな。
一刻を争うんだぞ。」
そんなに酷い惨事なの?
「それだけは勘弁して。」
上向いたら血の味がするじゃん。
それすごい苦手なんだ。
しかし、今日はすごい量だな。
「ヒヨリン、ティッシュっす。」
一人、もふもふのアフロが
近付いてきて箱ティッシュを
差し出したきた。
「うげっ、助かる!
君はとてもいいヤツだ。」
ティッシュを鼻に当てる。
あたしは感動した。
良いヤツが居るもんだ。
「いや、ヒヨリン血止めて下さい。」
握手を求めようと手を差し出したら
血だらけの手を見て引かれた。
「てへっ」
茶目っ気たっぷりで舌を出したら
アフロが後退した。
悍ましいものを見たかのように
アフロを揺らして。
そして、数分後やっとこさっとこ
鼻血が止まってカピカピになった
手に付いた血を見てげっそりした。

