Hurly-Burly 【完】


ナル君がくりくりの瞳で机に顔をピタリと

付けて上目づかいであたしを見つめる。

「待ってる、待ってる」

もうこの子駄目。

そんな姿曝しちゃ駄目だ。

鼻血が今にも飛び出しそうだ。

この子はあたしを大量出血で殺す気だ。

「た、大変だ、これはイカン。

早く耳鼻科に行かねば・・」

ナル君病にかかったに違いない。

あの可愛さは犯罪級だ。

「ヒヨリン」

「「「「ヒヨリン」」」」

ああ、煩いよ。

人が考え事してる時に

鼓膜が破れそうだよ。

チャンバラ組まであたしを

心配そうに・・・

「馨、馨、どうしよう。

ヒヨリンが変なこと言ってる。」

ナル君!?

確かに、変な女だよ。

その半端ない焦り方見てると

自分が悲しいよ。

「ナル、落ち着きな。」

馨君は優雅にナル君の頭を撫でる。

それはもう美男子揃いの秘密の花園。

「ぶー」

いかん。

変な想像しちゃった。

ナル君と馨君のあられもないこと

想像しそうになっちゃった。

「「「「ヒヨリン」」」」

鼻血をぶっ放したあたし。

ああ、もうヤバいかも。

チャンバラ組があたしの大噴出

した鼻血を見て青ざめた。

「し、刺激が強いのはちょっと・・・」

あたし、そういう禁断の域は

少し苦手なんだよ。