Hurly-Burly 【完】


「男子の委員長じゃないか。

知らないなんて可哀想過ぎる。」

存在否定する気か。

ヤツも頑張っておるのだよ。

「だって、何か気に入らない。」

ムスっとしてる。

頬を膨らましているよ。

この子、可愛い。

ぎゅっとしたいな。

「頑張ってる人にそんなこと

言っちゃ駄目だよ。」

ナル君のくりくりの瞳がゆるりと

揺れていく。

「アイツのこと好き?」

ああ、どうしたらそんな考えに辿り着くんだ。

ナル君よ、誰もが恋する乙女だと思ったら

大間違いだね。

「ないない」

きっぱりと言い切れるよ。

あの方モテそうだしね。

そういう想いをしてる子は

居そうだけどね。

あたしは絶対にないな。

「ナル君は?」

校舎に入る間際に聞いた。

「えっ?」

聞き逃したのかな?

「好きな子居ないの?」

ただ自分も聞かれたから返した。

こんなに可愛い子に想われたら

あたしだったら喜ぶな。

「ヒヨリン」

これまたビックリサプライズだな。

さっきまで委員長って言ってたではないか。

「ふふっ、何それ?」

ナル君に手を引かれる。

「笑うなんて酷い。」

そう言ってまた頬を膨らませて

拗ねるナル君が本当に可愛くて

悩殺されちゃうよって思った。