Hurly-Burly 【完】


だけどさ、強く撫でまわされると髪が

ボサボサになるだよね。

ふふっ、絆創膏可愛い過ぎだな。

ふ、不良には似合わな過ぎる。

「してないよ。

心配してくれてありがとう。」

お礼はしなきゃだよね。

あたしが尻もちつかなかったのは

後ろで座布団代わりになってくれた

千治君のお陰だし。

「なら、いい。」

眠そうに目を細める千治君。

どこまでも整ったお顔だ。

だけど、何かちょっと抜けてる。

いいとか言いながらあたしをジロジロ見る。

「ぶっ」

ちょっと、笑ってもいいよね。

あまりにもその不自然さが

何かいいね。

「・・・・ん?」

?を浮かべる千治君。

いや、意外だったな。

「ううん、何でもない。」

そんな顔するんだなと思った。

どこか頼りない。

「ちー、大丈夫?」

ナル君がチューリップを

眺めながらこっちに瞳を向ける。

その大きな瞳は心配そうだ。

「ん。」

それを知ってか知らずかひよこ

さん絆創膏が張られた手を上げる

千治君の行動にギョッとした。

い、いきなり何をしてんだ。

ビックリしたわ。

「あはっ、可愛い絆創膏。」

ナル君の方が可愛いよ。

にっこり笑って千治君の手に

張られた絆創膏を見るナル君

はそう呟いた。