それにしても、何階だっけ!?
こんなに上がらなきゃいけないの?
最上階だったことにエレベーター
のボタンを押して気付いた。
長い待ち時間を過ぎてようやく
辿りついた最上階には扉が
一つしかなくてそこだと言わん
ばかりに主張してた。
ふぅと一息入れてからインターホン
に手を伸ばす。
「・・・はい」
さっきからこの人は不機嫌なのかしら?
少しは愛想よくして欲しいものだわ。
「・・・・委員長の立花です。
プリントを届けに」
ブチっと切れられて内心逆巻く怒りを
押えるのに必死だった。
「あれ、君が委員長?」
扉から出てきたのはどう見たって
男子高校生に見えない金髪オール
バックのお兄さんで内心驚きが
半端なかった。
「・・・はい。」
よく見ると右顎斜めに薄い傷跡。
それにかなりの強面なのにどことなく
醸し出される雰囲気もひっくるめて
カッコイイ人が不思議そうに出てきた。
「俺はてっきりどんながり勉少女が
来るのかと期待したんだが」
がり勉ではあったと思うけど、
そんなの外見とどう関係するんだ。
「これ、4月の保健便りと健康診断
のお知らせです。来週の火曜日に
あるので体操着を必ず持ってくる
ようにとのことです。」
とにかく、早く終わらせて帰ろう。
「ああ、渡しておくよ。
ところで、お茶でもどう?」
結構です。
あたしは一刻も早く帰りたい。

