あの日よりは前を向いているんだろうか?
黒い夜が怖いと言ったのはいつだったかな。
「情けないこと言ってんな!」
バシっとビンタを決めたあたし。
「痛い」
今日は2回も人を殴るというデンジャラス
レディーになってしまってるあたし。
「男ならシャッキとせんか!!」
あたしはあんたの母さんかよ。
「さーちゃん化してるよひーちゃん」
あんたが情けない顔してるからだ。
「相沢、おめぇー何しに来た?」
慶詩、一応腐ってもこの人先生です。
「念を押しに来た。」
黒縁眼鏡をサッと外す。
この人、眼鏡をお洒落と勘違いでもしてる。
度が入ってないのに眼鏡を掛ける意味が
分からないというか。
「言ったろうが、俺はお前らの立場がよく
分かんだよ。その分、うちの大事な姫を傷
つけられたら溜まったもんじゃねぇ。」
ひ、姫?
果たして、誰のことを言ってるのだ。
「何を」
言ってんだよって言おうとしたら、
「それなら、最初から仕向けてくんなよ。
俺は、手放す気なんてねぇぞ。」
ちぃー君。
後ろから何をするんだよ。
後ろに手を引かれてバランスを失ってちぃ君の
胸板に寄り掛かる。
もう心臓消滅しちゃうかと思ったじゃないの。
「あのー」
この睨みあい合戦は何よ。
「だったら、ちゃんと守れよ。
じゃなきゃ、強制送還するからな。」
何、全然話が読めないんだけども?
みんなはピリピリした空気を放ってる。
ちぃー君、寝起きで機嫌でも悪いのかしら?

