Hurly-Burly 【完】


教室の中に入る相沢ティーチャーに警戒

しながらも眼力に魂を込める。

「日和、聞いてんのか?」

な、いきなり普通に呼ぶなよ。

いつもひーちゃん言うではないか!!

「聞いています。」

いつの間に居たんだよ!!

それに、何よその顔。

「俺には懐かないねぇー。」

それは貴方の性格の問題です。

「・・・何しに」

「ひーちゃん、やめた方がいいと思うよ?」

茶色の髪が揺れてあたしの顔に至近距離で

近付く相沢ティーチャーの顔にパンチを

繰り出した。

「痛い」

このイケメンフェイスめ。

心臓発作多発注意報ではないか。

「ひぃぃっー!!」

この人は人をからかう天才なのかしら?

「ひーちゃん、こっち向きなさい。」

ふ、ふざけおってからに!

「ドンタッチミー」

悪魔の手があたしに伸びるのを見て、

後退したのだった。

「俺の言うことは聞いといた方がいい。」

もしかして、貴方はまだ根に持ってる

のだろうか?

あたしは全然気にしてないっていうのに、

ずっと気にしてくれてるのかな。

「あたしのことはあたしが決める。」

もしも、あたしに接するその優しさに

後悔が残ってるならどうか気にしないで

欲しいと思う。

「お前に何かあったら俺はどうすればいい?」

ああ、そうだね。

あの日にそっくりだよ。

声もその瞳も髪の色まで何もかも変わらない。

まるで、世界が切り離されたみたいな絶望する

貴方がとても心配だ。