Hurly-Burly 【完】


ひーちゃんの膝を見るとやっぱり痛そうだ。

肩ぐらい折っておけば良かったな。

「ヒヨリン、痛かったよな!!」

ユウヤ君がひーちゃんに駆け寄る。

「へーきだって、大げさだな。

しかし、もっくんすごく強かったよ!!

あたしを吹っ飛ばした人をやっつけて

くれてありがとうねっ。」

ひーちゃんは照れくさそうに笑う。

「あれぐらい、肩を折っておけば良かった。」

「えええええっーやめてよ!!

もっくん、恐ろしいこと言わないでよ。」

それでも、ムカつく。

「サユリちゃんの方が怖いことしてた。」

飛び蹴りを見たことは黙っておこう。

「もっくん、見ちゃったのねっ!!」

ひーちゃんは椅子に座って驚いた。

「・・・ひーちゃん、絆創膏張る?」

「・・・い、いいや」

2人で押し黙っていると、噂のサユリちゃんが

戸惑うことなくドアを開けて入ってきた。

それにびっくりしたのは7人以外の俺たち。

「日和っ、あんた食べ過ぎよ。

店員に変な目で見られたじゃない!!!」

サユリちゃん、ここそんな普通に入って

いいところじゃない。

「あははっ、ごめん。」

椅子の上で笑うひーちゃん。

「ほら、買ってきてやったわよ。

もっくん、手当してくれたみたいね。

この子に代わってお礼を言うわ。

ありがとう。」

サユリちゃんは美人だけど・・・

「さーちゃん、怪我はないの?

そういえばって思ったんだけど・・・」

俺も気になってた。

「あるわけないじゃない。

あんな雑魚ごときに怪我してられないわよ。

ちょっと、ローファー汚れたのが気に食わないわ。」

うん、やっぱりサユリちゃんには気を付けよう。