このひーちゃんの間抜け面見てよく言える。
「絶対にない。」
ひーちゃんを好きにってのがまずないからな、
それは勘弁して欲しい。
そりゃ、友達としては申し分ない。
「即答しちゃう!?」
ひーちゃん、悪いけど。
「結構、ショックなんだけど!!
哀れまなくいいよ。
逆に、傷が深くなるから!!」
マーボーが持ってきた椅子にひーちゃんを
座らせると様子を見てたナル君が慌ててやってきた。
「ヒヨリンっ、何でもっくんに負ぶられて、
もっくんと何かあったの?」
みんなどうかしてる!
「あ、あたしが転んじゃってさ。
もっくんが優しいから負ぶってくれたんだよ。」
ひーちゃんは椅子に座って笑う。
膝からは少し乾いた血が流れる。
さっき、気付いたが手も擦りむいてた。
「美男、救急箱なかったか?」
早く、手当してやらないと。
サユリちゃんに頼まれたし、あの子は
怒らせちゃマズイ。
「ヒヨリン、ドジったの?
痛そう、大丈夫?」
ナル君がひーちゃんの頭を撫でる。
「ふははっ、へーきへーき。」
心配しないようにって笑うんだろうな。
「もっくん、あった」
美男が慌てて救急箱を持ってきた。
救急箱から消毒液を取る。
「・・・・ひぃぃっー!!」
両膝を怪我するってある意味すごい。
それでも、ヘラヘラするひーちゃん。
「ひーちゃん、手も貸して。」
もっくんの鬼と言われようが、
サユリちゃんに恨まれたら困る。
ちゃんと、手当しないとひーちゃんも
俺もサユリちゃんに怒られたら大変だ。

