学校に戻ると負傷したひーちゃんを見て、
ヒソヒソ周りがざわついてた。
ひーちゃん自身は全然気にしてない。
ケロッとしてるのがよく分かる。
「ひーちゃん、もっと早く助けてれば
怪我なんかしなかったかもしれないな。」
何であんなタイミングで・・・
「へっ?
何言ってんだよ!!もっくんが来てくれて
すごく助かったよ!!
さーちゃんはあれでも手加減してたからさ。
もっくん、倒してくれたじゃん?
それなかったら、さーちゃん血祭にあげてたよ。
そういえば、お礼言い忘れてたね。
もっくん、ありがとう!」
ありがとうか。
言われるとこんなに嬉しいものだったんだな。
「どういたしまして。」
いつも遊んでくれるお礼さえ言ってない
俺にだって優しい子だ。
ひーちゃんは本当に軽くてすぐにいつもの
教室に辿り着いた。
ドアを開けると美男が百瀬とカーレース
をしていていつものメンバーがそれを見守って
いるところで、黒宮さんたちもソファーで
くつろいでいる感じだった。
「何だ、もっくんかって!!」
美男、百瀬に負けてる。
美男が目を放した隙に百瀬がスピード
を出して美男のブルーの車が追い越されて、
「よっちゃん!!負けちゃうよ。
急げ馬鹿者!ももっち・・あんたよっちゃん
が目を放した隙に・・」
百瀬の赤の車が先にゴールに辿り着いた。
「ひーちゃん、それより降ろすよ?
マーボー、椅子持ってきてくれないか。」
マーボーがキョロキョロ見渡して椅子を
手にしてこっちに持ってきた。
「もっくん、まさかだけどさ。
ひーちゃんと相思相愛的な!?」
マーボー、そんなわけあると思うか?

