お助け下さい。

この現場からどうかあたしを・・・

「ヒヨリ、相沢先生が呼んでたよ?」

悪魔め!!

サユの心を弄びやがって。

「そうですか、ありがとうございます。」

あの悪魔の元に行くなんて嫌だ。

「ヒヨリ、あたしもついて行く。

あんた、やつれてるよ。

朝から何かあったの?」

もう聞いてくださいな、姉さん。

かくかくしかじかでとんでもない

ところにもう・・・やってらんない。

転校したい。

平和な学校に移転出来ないだろうか?

廊下を歩きながら言うとサユは苦笑い

を浮かべる。

「でも、ヒヨリがらしく見える。」

そんなサユの言葉に驚きが隠せなかった。

長年の付き合いでサユにはあたしの何も

かもが分かってる。

同じくサユの何もかもがあたしに分かってるように。

だから、その言葉に動揺を隠せなかった。

はっきり言ってサユに言われるとは

思わなくて・・・

「ヒヨリは嫌だろうけど少し表情が

変わってきて楽しそうだよ?」

そうでもない。

楽しく・・・なんかなかった。

「何年ぶりだろうね、ヒヨリが感情

を表に出したの。

妄想だってちゃんと人前でしないよう

注意してたでしょう?」

言われてみればそうなんだ。

気を抜いてたわけじゃないのに、

ついやってしまったんだ。

あの人たちが自由すぎて、

あたしには眩しかったから、

目を凝らすしかない気がして

立ち止まってしまった。