ゾッとするよ。
「いや、ないから。」
京様、今日はすごい視線送ってきてたよね!!
「ホントに?
あの、無理して付き合ってくれなくても・・」
うん?
ナル君が何か言いたそうだ。
「ヒヨリン、・・・やっぱいい。」
あたしだけが変なわけじゃないか。
もしかして、みんなも雨が苦手とか?
「そういえば、体調はどう?」
馨君がティーカップを差し出してくれた。
いい匂いがする。
「・・・多分、へーき」
全然、へーきじゃない。
むしろ、今にも狂い出しそうだ。
「無理しないでね。」
馨君は神様のようだよ。
気にかけてくれるなんて
良い人過ぎるよ。
そういえば、雨だから気にならなかった
けど外は真っ暗だ。
今は何時ぐらいだろ?
結構、長く居たような気がする。
テレビの声が微かに聞こえる。
「非常に強い豪雨です。
雷雨も発達してきています。
皆さん、急いで帰りましょう。」
天気予報のお姉さんに釘づけの
不良メンバーズを横目にため息が漏れる。
とうとう、やってきた。
みんなの前では頑張って乗り切るぞ!!
変なところ見せたくないものね。
ゴロゴロ。
雷らしき音に飛び跳ねた。
ティーカップのハーブティーが
制服に掛かって驚く。
天気予報のお姉さんの馬鹿!!
何でよ、夜だって言ってたじゃない。
手が震えてティーカップを急いで
テーブルに戻した。

