結局、たくさん買った。

不良メンバーズにも食べさせたいからだ。

お金を払おうとしたら止められた。

「えっー!!

お詫びって言ったじゃないの。

あたしのたい焼きが食えないと言うのか!!」

グダグダ言うあたしにちぃー君がポケットから

諭吉を出しておじさんに渡した。

「兄ちゃん、その子の知り合いなんだろ?

まけてやるよ!!」

太っ腹のおじさんにまけてもらったけど、

「ちぃー君・・・・」

もうすでにあんた何個目だよ。

そんなに好きだったか。

何なら、もっと早く教えてやれば・・

「丸蔵、久しぶりだな。」

丸蔵デタッー!!

しなやかな白くて綺麗な猫ちゃん。

その名前変えてやってよ。

あたし、絶対そんな名前つけられたら

ショックで猫界で裁判申請してやるさね。

「丸蔵って、ちぃー。

可愛いじゃんっ、お前どこから来たんだ?」

ナル君、納得!?

ナル君とちぃー君って何だかんだで価値観

似てるような気がする。

甘いもの好きだし、ちょっと子どもっぽい。

「それで、マコ君とはどういう関係なの?

まさか、マコ君を悪の道へ引きずり込もう

って魂胆か?それは絶対に阻止せねばっ」

最近、誕生日を迎えてバイクの免許取った

と嬉しそうに言ってたマコ君。

「アイツは悪党には向いてねぇーよ。」

慶詩が知り合いっぽい感じだったもんな。

「あたしも思う、マコ君が悪党だったら

世の中全員悪の道に進むであろうと・・・」

あんなにいい人きっともう会えるか分からない。

「日和ちゃんは暴走族ってどう思う?」

その回答にはビックリして食べかけのたい焼き

を落として立ち止まった。