Hurly-Burly 【完】


オレンジジュースを啜る音だけが聞こえる。

何、この沈黙は・・?

不良メンバーズは気を利かせたのかどっか

行ってしまったようでさっきから静まる

空気に酸欠しそうだった。

気になることはないわけじゃない。

あの事件から佐藤君は殴られてからの記憶が

ないらしいが元気に今日もサッカーをしている。

明香里ちゃんは病院に通いながら学校に来ている。

悪魔1号の計らいで学校には知らせず、

処理をしたって悪魔2号に聞かされた。

「・・・・・・・・ハッ。

そういえば、あの金髪のオールバックの

お兄さんとサングラスを掛けた怖そうな

お兄さんは元気にしているだろうか?」

会話を作らねばと思ってたらふとそんな

ことを思い出した。

「怖そうって・・・まぁ、正直者だね。

元気にしてるよ。」

馨君がクスリと笑ってくれた。

「そうなんだ、良かった。」

あたしにはお礼を言う暇もなかったからな。

いつか、菓子折りを持って挨拶に伺おう。

先日は失礼しましたぐらい言わないと。

「たい焼きって好き?」

あの怖そうなお兄さんたちに渡しに

行くのを想像してふふっと笑う。

「たい焼き?」

ナル君、目を輝かして可愛い。

「うん、甘くないのもあるし。」

あたしとしてはチーズ入りがドストライクだった。

完璧にあの味に惚れた。

「甘いのがいい。」

ちぃー君は相変わらず甘党さんだな。

「じゃあ、それお詫びに買ってくるね。

この近くにあるんだよ。

おじさんが次はおまけしてくれるって

言ってたんだよねっ。」

あのおじさんすごく優しかった。

女の子が来てくれて嬉しいと言ってくれた。