Hurly-Burly 【完】


人様にあたしの苦労を掛けさせるなんて、

出来ないって一人で何でも出来るようにしたのに、

「マコ君、サユと結婚するときはあたしがスピーチ

するから。ぜひ、呼んでくれたまえ。」

大事なことに気付いた5月もそろそろ終わるこの頃。

「ま、ままっまままだしないよっ。」

何年経っても純情マコ君。

そんなマコ君がいつも隣に居てサユは幸せ者だ。

好きな人ね。

「いや、いつかするでしょ?

その時はサユを頼むよ。

泣き虫で寂しがり屋のさーちゃんだからさ、

分かってくれるのはマコ君くらいだしねっ?」

もし、あたしが傍に居れなくなったら、

寂しがり屋のサユの傍にずっと居てやってよ。

あたしのことなんて忘れるぐらい愛してやって、

サユを泣かせたら地味に嫌がらせしてやるから。

「日和っ?」

サユは泣き腫らした目だ。

もう、美人な顔が台無しじゃないか。

「サユ、一緒に帰ろう?

もうこんなことはしないから泣いちゃやーよ。」

強がりで意地っ張りで泣き虫で寂しがり屋

のサユに心配かけてしまったばっかりに、

「ダディにもマミーにも修平君にも

会いたいじゃないかっ。」

そんなサユの周りの人は優しさで溢れてる。

自分の子どもでもないのにあたしを慕って

くれる、それってかなり嬉しいじゃん。

「日和っ、あんた覚悟しなよっ。」

サユが親友で良かったって思うじゃん。

大好きな大好きな親友の家族も彼氏も

あたしは大好きだよ。

「お、恐ろしいことを言うなしっ」

サユに抱きつかれて笑った。

ダディとマミーにそっくりなサユが

親友じゃなきゃきっとあたしに付き合って

くれやしなかっただろう。

面と向かって言うのは恥ずかしいけど、

大好きだよ、さーちゃん。