心が折れそうだったじゃないか。

こんな人たち相手に出来ないって一瞬戸惑った。

佐藤君が殴られて頭に血が上ったにせよ、

あたしごときが出来るレベルじゃなかった。

ボトルだって背中にぶつけるので精一杯で、

手が震えてた。

殴られた時だって痛かった。

「そこ泣くとこ・・」

京様、あたしは非常に感動している。

「ごめん、あたし普通の女子のする行動が

理解出来ないの。」

泣かないよ。

だって、みんなが来てくれたから。

「来てくれて、ありがとうっ。」

きっと、それが何よりも嬉しかった。

こんなあたしを探してくれたに違いなくて、

守られるのは嫌だけど今だけ助かった。

「ヒヨリン、当たり前だよ!!

言ったじゃんか。どこに居たってヒヨリン

のピンチは絶対に駆けつける!!

ヒヨリンの力になれるなら絶対に。」

ナル君、髪の毛がすごい乱れてる。

どんなに走りまわってくれたんだ。

「ひぃぃぃっー、足がっ」

あたしの足を掴んできた地面に転がる男。

怖いっ、血だらけゾンビだ。

お化け屋敷にでも入ってしまったんだろうか?

現実逃避だ。

ここは、リアルお化け屋敷だ。

「顔がいいか?」

ちぃー君、急に何を言い出す?

「それとも指切り落としちゃうか?」

ひょえっー!!

ちぃー君の笑顔に氷河期が到来だ。

「歯食いしばれよ。」

顔面を蹴りつけて吹っ飛ぶ男に

怖さMaxでちぃー君の背中にしがみついた。

「二度とその汚ねぇ手でこいつに触んな。」

ちぃー君、その決め台詞かっけーす。