Hurly-Burly 【完】


それはもう華麗なもんだった。

どこの少女マンガだとツッコミを入れるよりも

先に叫んだ。

「ぎゃーっ、止めて。

ストップ、タンマ、えっと・・ノーセンキュウ。」

まさにお姫様抱っこ!?

これはあたしのプライドが許さんのだ。

「放せっ、いや違う降ろせっ。

おこっとしてくれっー!!」

軽々と涼しい顔であたしをお姫様だっこ

形式で運ぼうとするちぃー君。

「黙ってろ。」

いや、黙れないっ。

気が狂いそうだから。

「性にあわないんじゃボケー!!」

ドキドキ王子様とか出現予定が

今のところないの。

「ん?」

ん?じゃない!!

「お頼み申します。

せめて、担いで。

その肩で我慢するからっ」

心臓に悪くて心臓発作。

標語みたいね。

たははっ、そうね。

「お願いします、もう二度と無茶はしないと

誓います。信じられないと言うなら腹を切り

切腹するという条約を立てても構いません。

そして、おまけのオプションに何でも言うこと

聞くの券を発行しますからっ!!」

だから、その・・お姫様抱っこやめよう?

「・・・乗った。」

乗っちゃうの?

まぁ、いいさね。

ちぃー君は一旦下ろすと担ぐではなく、

背負ってくれた。

「ふひー、何を言ったのか忘れたがいいや。」

あたし何の約束しちゃったかしら?

まぁ、言ってないとシラを切るに限るな。

とりあえず、納得したみたいだし。