ちぃー君に反論する気もなく白旗を上げる。
「こいつらが間抜けなヤツじゃなきゃ、
ヤラれてたかもしんねぇんだぞ?
お前が怪力じゃなきゃ何されてたか
分かんねぇとこだったぞ。」
か、怪力って・・・
「げへへへっ、怪力で何よりだ。」
ギロってちぃー君に睨まれる。
「ふざけんな。」
それは何よりもあたしが一番理解してんだよ。
ボトルがなきゃあたしはここまで抵抗出来たか
分からない。
通用するぐらい酔ってたからどうにか出来た
にしろ、こんなことは奇跡に近い。
「・・ごめん。でも、後悔はしてない。」
もし、あたしが出てなかったら佐藤君は
鼻血だけで済んだのかな?
明香里ちゃんは一生の深手を負うことに
ならなかった?
「守るって難しいね。」
佐藤君はそう言って立ち向かったけど、
あたしはどうだろ?
2人を助けたかったのもある。
だけど、やっぱり自分が一番大事だった。
「次はないぞ。お前が守られてろ。」
あたしが守られる?
「えっ、それ何のジョーク?
アメリカンジョークは日本じゃ
通じないよ。本場アメリカンは
それはそれは公正な審査をして・・・」
ギロギロとお前たちはなんて恐ろしい
目つきであたしを見るのだ!!
刃物か!!凶器だ!!
「Sorry」
うげっ、滑ってる。
確実に反りに乗って下るトナカイさんだ。
時期外れだし!!
「うひゃっ」
ちぃー君が立ち上がったと思ったら、
いきなり体が空中を舞った。

