Hurly-Burly 【完】


あたしの力はもう使い果たしたみたいだ。

「他に殴られたりしたか?」

ちぃー君はあたしをジッと見る。

ジロジロと身体を見られる。

「とくには、される前に投げ飛ばせの

蹴り飛ばせの投げつけろっていうか・・

その・・護身術程度のことは・・出来るからっ」

頬を殴られたのが一発で髪を捕まれた

のが何回かってぐらい?

「俺ら頼りねぇなっ。」

ねぇ、ちぃー君。

そこはさ、女の子はそんなことしないとか

投げ飛ばせって何とか笑えること言えないの?

何で、そんな辛そうな顔するんだ。

「ちぃー君、お腹でも壊した?

あんまり甘いもの食べすぎるからだよ。

誰かに苛められたの?

そんなヤツはほっとけばっ」

ちぃー君があたしの頬を撫でる。

呼吸が止まりそうなほどに。

「行くなって言ったよな?

俺の話聞いてなかったわけじゃないよな?」

・・・・・言われたな。

それはもう脅しに近い感じだった。

マミーや兄ちゃんにだって言われた。

「ええ、それはもうばっちりと。」

約束破ってごめん。

でも、あたしだってまさか来るとは

思ってもみなかった。

「じゃあ、何でここまでのこのこ来た?」

そんな言い方ないじゃん。

あたしだってのこのこじゃない。

もうスピードのレッサーカーのごとく

走って来たんだ。

「ごめんなさい・・・・」

悪いのはあたしだ。

約束を破ってここまで来て、心配させて

この様だ。ありえないなこの女と思われて

も反論の余地がない。