でも、やられるぐらいなら精根尽きても
自分を守るため戦う。
そう決めといて良かったよ。
「明香里ちゃんっ、とりあえず・・上羽織った
方がいいね。」
明香里ちゃんの胸元が開いたシャツに目がいった。
これじゃ、ここを出るのも恥ずかしいよね。
あたしは自分のブレザーを明香里ちゃんに
羽織らせた。
「委員長っ!!」
明香里ちゃんが泣きながら言った。
「お礼は佐藤君に言いなよ。
佐藤君が居なきゃあたしここには
来れなかったから。」
佐藤君の勇気に感謝してあげて。
とにかく、逃げよう。
こんな現場に居たら逆上して、
あのガードマン来ちゃう。
明香里ちゃんと佐藤君に手を伸ばす。
「んだよっこれ!!」
また部屋に誰か入ってきた。
「明香里ちゃん、いい。
よく話を聞いて。すぐに永瀬っていう
学校から20分ぐらいしたところにある
看板にゴリラみたいなオジサン居るから
その人に助けを求めて。
佐藤君は置いていいや。
とにかく、ここからすぐ逃げて。
110番しなっ。」
あんたを心配して2人で来たんだ。
明香里ちゃんを逃がすのが先決だった。
「で、でもっ」
明香里ちゃんは躊躇う。
「逃げなさい。
佐藤君はあたしが預かる。
貴女のことを心配してきたんだから、
貴女だけでも逃げなきゃっ。」
あたしは再びボトルを両手に片っ端から
投げまくった。

