佐藤君はボケッと立っていた。
駆け寄ってガッツポーズを取ってやったさ。
何と言うタイミングの良さだよ。
ありえないほどのチャンス到来にあたし
運がついてるとしか言えない。
今度、宝くじ買ってみよう。
もしかしたら、一発で当たるかもしれない。
「よしっ、突入だよっ。
この機会逃したら次はないよ。」
佐藤君の背中を押して部屋の扉を
ガチャリと開けた。
いきなり煙たい空気が広がって、
口元を慌てて押えた。
何この変な煙といい頭がクラクラする
ぐらいの気分の悪さ。
そこに広がる光景にもビックリだった。
男女が多くてべったりくっついたカップル
が多いし、チンピラがニヤニヤ笑ってる
人が何人か居た。
その先にもう一つの扉があってそれこそ
丈夫そうな取っ手だったと思う。
誰も気付いてないところを見ると、
そこに居る人たちは異様で寒気がした。
隠し扉のようなそこにこっそり2人で
近付いて入って行った。
もうドキドキもんだった。
こんなスリル他で味わったことすらない。
あたしの人生で最大のスリルだったに
違いないと思う。
もうこんなのはこれっきりで十分。
「ヤバいっ、隠れて。」
その部屋は誰も居なかったんだけど、
何故か怪しい感じがしてウロウロしてた
のだが、佐藤君の言葉に狭いが掃除用具の
入ったロッカーに2人で密着24時した。
あたしが小さくて良かったよ。
慌てて入ったはいいものの、どうすんだ。
この状況心臓に悪いよ。
佐藤君にはもう慣れてきたけど、スリルの
多さに寿命が半年ほど削れたに違いない。

