佐藤君に申し訳ない。
あたしのせいで仕事を押し付けられて、
人のいい佐藤君はどっかの金髪ヤンキー
さんとは違って文句一つ言わずに手伝って
くれて心の中で直謝りだった。
ゴミ拾いデイズの日は体操着登校で
いいとかそういう類のプリントだ。
これを明日配らなきゃいけないのか。
面倒だなと思いながら各クラス人数分
用意をして体操着登校というところ
にマーカーを引くという地味な作業
をひたすらした。
佐藤君のサッカー通にはビックリだった。
あまりサッカーの試合は見たことないけど、
何故か詳しく力説された。
どうもこの男勝手な思い込みが激しい
男だなと思い知った。
今度、佐藤君も試合に出るらしく(練習試合)
それを見に来てほしいと言われた。
あたしがサッカーに興味があるとでも
思ったのだろうか?
悪いが、全く興味が湧かない。
話は頷く程度に聞いてやってるが、
行く気にはならん。
休日はチーズケーキを焼いて
練習しておかないと。
しばらく、作ってないから失敗
したら大変だもの。
「それでさ、・・・」
佐藤君の爽やかな笑顔を横目にマーカー
を引く作業を地道に進める。
この人、ちぃー君並みの無自覚症候群
なのかしら?
女の子がきゃーきゃー言ってもお構い
なしだし、素敵なぐらいスルーしてる。
まるで、自分ではないとでも思ってる
かのようでたまにイラっとするぐらいだ。
こういう男が転がる日本はどうかしてる!
イケメンはそれなりに遊び心を持った人で
あるというのが理想像だったため正直ガッカリだ。

