慶詩が煙草を片手にユウヤと喋ってる。
「よっ、京。
どうだ、片付きそうか?」
慶詩はいつもどおりフザケタ男だ。
「・・・さぁ。」
それでも、頼りがいはある。
コイツが居ないと正直困る。
面倒見がいいからな。
口は悪くても意外と情が深い。
「相変わらず分かんねぇー男だな。」
何と言われようが俺はこれを変える気に
ならないからな。
この性格でいいって言われた。
「俺、あっち見てくる。」
ユウヤが走って行った。
「ナル、最近荒れてんぞー。
静まらないとあのドチビに
会えないとか言ってな。」
煙草の煙を吐き出す慶詩を横目に、
雑踏を遠くから見物した。
「元気そうには見えるけどな。
最近、全然喋ってねぇーな。」
ひよこは確実に大きな影響力を
を残している。
「伊織は言おうと思ったらしいぞ。
けど、ドチビ拒否したらしいぞ。
まぁ、こっちに関わるといくらか
危ねぇしな。知らねぇー方がいいんだろ。」
そして、ひよこに拒絶されるということを
大きなダメージにしている。
ひよこはいつだって受け入れていた。
考えて見れば、完全なる拒絶をした
ひよこが居ただろうか?
「・・・そうだな。」
確かに、引き返しが出来なくなるだろうな。
知っただけならまだしも。
確実に今までのようには行かなくなるだろう。
シカトというものをされるのだろうか?
今までは嫌々でも着いて来たりしたものが、
完全なる拒絶か。

