Hurly-Burly 【完】




***


Said:京


最近何かと忙しい。

寝る暇もないぐらい働きすぎて正直疲労困憊だ。

毎日、よくやるもんだと思いながらも今まで

静かだったのが不思議でしょうがない。

流血事件を起こしてからというもの、

ひよこと随分遊んでいたからだろうか?

こんなことして何のためになるのか分からなくなる。

「おいっ、てめぇっ」

目の前に居る男の顔面を踏みつける。

血を出して倒れるこの男も所詮弱い。

血が流れるこの現場をひよこは絶対に見れない。

委員長とかいう肩書を持ったひよこは、

意外と世間知らずだ。

流血を充血とか言い出す始末だ。

それが見え透いた冗談だとみんなも気付いてるだろう。

こんなところを見られたら確実にひよこは

俺たちの前から消えるだろう。

何のこともないように委員長とクラスメイトって

だけのつまらない関係に戻るだろう。

「・・・うるせぇ」

ムシャクシャするんだ。

最近、ひよこと上手く喋ってない。

普段からそんなに喋る方ではないにしろ、

ひよこは何かと気にかけてくれる。

前は3日に1回ぐらい喋る程度だった。

ひよこは毎日気にかけてくれた。

話題を探してくれたり、フザケタ

妄想を繰り出したりとりあえずやれる

ことをしている気がした。

俺は、女が嫌いだ。

自分勝手な女はどうしたって受け入れられない。

けど、あの日のひよこは笑えた。

出会った日も笑えたが何よりも笑えたのは、

千治のことを悟って缶を大振りで投げつけた

あの日のことはきっと忘れない。

女の癖にひよこは俺たちを守ると言ったんだ。