涙目のナル君が可哀想だった。
意味も分からずちぃー君に叩かれたのだ。
ナル君の頭をヨシヨシする。
「ちょっ、ちぃー酷いっ。」
ナル君がウルウルした瞳をちぃー君に向ける。
そして、よろけたちぃー君は小石に転ぶ。
「痛い」
痛かったのか涙目になるちぃー君。
ああ、痛そうだったよ。
ヨシヨシしてやらないけどな。
「仲良くしなよ。
ナル君、可愛いじゃないか。
ちぃー君、ほら仲直り。」
ナル君があたしの背中に隠れる。
「・・・お前にイラっとする。」
はぁん?
やるのか、この野郎!!
こっちは全然いいんだぞ。
「コラコラ、こんなところで
喧嘩しない。」
馨君、可哀想にその後ナル君と
ちぃー君を宥めるのに夜景どころでも
なかったみたいだ。
主にちぃー君だ。
ナル君はあたしの背中から離れない。
もうおんぶしているようなもんだ。
「とりあえず、絆が深まったってことで
いいんじゃねーの?」
「はぁー、面白かったしな。」
そこの2人が一番イラッとする。
フェロモン魔導師と金髪ライオン。
「・・・帰るぞー。」
やる気のなさがピカイチな気がしますぜ。
ちぃー君の拗ねようは置いといて。
何故か、ちぃー君中心な気がする。
命令してるわけじゃないけど、
ちぃー君がそんなに大事なのか?
守ってるような気もしなくはない。
みんな仲いいんだな。
ただ、その晩はそう思った。