とりあえず、すごい懐かれた。
「あの、ちぃーがやっぱりおめー誑かして!!」
「ないっつうの!!」
金髪ライオンの野郎め。
「何か、あったの?」
馨君がにっこりと聞いてくる。
「あ、えっと何かモゴモゴ言ってた。
星鈴のトップがどうたら地区がなんたら・・
そういえば、星鈴ってウチの学校じゃっ」
何その絶望したような顔は。
みんなしてその聞いてませんでしたみたいな
顔しちゃってるけど。
「それで、千治を止めてくれたんだね。」
馨君だけはずっと笑ってた。
「何を気にしてるのか分からないけど、
ああいう人の言うことは気にしない方がいいよ?
もし怖いっていうならあたしが守ってあげるよ。」
その言葉にみんなの視線が集まる。
「あれ、何か変なこと言った?」
首を傾げるあたしにナル君が飛びついてくる。
「ぐほっ」
いきなりのタックルですか!?
さすがのあたしも受け止めきれずに、
地面に尻もちついた。
「ヒヨリン、大好きー!!」
ナル君、か、可愛すぎる。
「は、鼻血がっ・・・」
そのエンジェルスマイルを守ってあげよう。
誰かに傷つけられるなんて腹立たしいから。
「ヒヨリン、ヒヨリン」
ナル君がしっぽを振ってる子犬みたいに見える。
あ、可愛いな。
ナル君のキャラメルハニーの髪を撫でる。
「あたしはその・・・嫌いじゃない」
好きにはまだほど遠いけどな。
そういうフザケタ感じは嫌いじゃない。
みんなが仲良しなのが意外といい。
思いやりのあるみんながどこかすごいと
思うんだよね。

