Hurly-Burly 【完】


今にも啖呵を切りそうな数名を馨君と京が

止めようとしている最中だった。

「あっー、超ナイスボディーなセクシーな

お姉さんが集まるナイスでショッキングな

UFOが頭上に!!」

急げっ、コラ。

喧嘩してる場合じゃないだろうがっ。

あたしの演技を無駄にするな。

伊織君、お前まで引っかかってどうする。

伊織君を引きずってみんなが茫然としてる

中不良達が馬鹿みたく頭上を見てる隙に

猛ダッシュを決め込む。

息を切らしながらもとりあえず後を

追って来なかったことに一安心した。

「ひよこのお嬢さんよー、どこにそんな

素敵なUFOあるのよー。

探しちゃったじゃねーの。」

伊織君、絶対にお前の前には来ねぇさ。

「あれに騙されるというよりはその変な

妄想にビックリだったけど。」

馨君までそんなこと言うの?

あたしの努力を酷い。

「・・・けど、助かった。

あのままだったら危なかった。」

京様、照れ屋さんだね。

顔が赤いぞ。

「ナル君、落ち着こうか。

深呼吸して一番楽しいこと思い出してみよう?」

未だに興奮冷めやらないナル君の頭を撫でる。

「・・・ヒヨリン」

「ちょっと、嫌な人たちだったね。

ナル君は男の子なのにねー。」

ナル君が途端に笑い出す。

「ヒヨリン、ありがとう。

暴れそうになってたよ。

ごめんな、怖かったよな?」

ナル君は素直でとてもいい子だと思う。

フルフル首を横に振る。

「怖くないよ。」

ナル君の般若顔にはあまりお会いしたくないけど、

大して振り払っただけ。