どこを歩いてるとかよく分かんないけど、
ホテルから出てかなり歩いたぞ。
少し一休みしたい。
「疲れたー!
ここで一つ提案です。休みま」
せんかと言いたかった。
「・・・・まだ。」
きぃぃぃぃっー!!
京様に言われたら歩くしかないじゃん。
「ねぇ、どこ連れて行く気デスカ?」
はぁーとため息を洩らす。
手元にはオレンジジュースが
未開封のままあたしの手を冷やす。
「着けば分かるよ。」
そうは言っても全然辿りついてないよ。
まさか、馨君道に迷ったとか?
「うわー、女だ。」
コンビニを通り掛かった時に、
ヤンキー座りをして集まってる
制服姿の男の子たちに視線を向けられる。
ま、まさかあたしのこと?
「おいっ、そこの金髪の隣の・・」
な、ナル君かよっ!!
あたしのハートはブレイクしまくるぞ。
まぁ、確かに可愛いよ。
この子は天使のようだけどさ。
「あ?」
天使が脱皮しました。
般若のようなお顔です。
勿体ないよ!!
そんなに可愛い顔してるのにってそんな
ことしてる場合じゃない。
距離はそこそこってところ。
どうにかして、視線を逸らせて逃げねば。
この人たち、不良君たちだから喧嘩し兼ねない。
そうなったら、あしたの水族館が行けなくなるっ。
そんなの絶対に嫌なんだから。
よしっ。
ここはあたしの演技が掛かってる。
そして、迫力第一だと思う。

