そして、ユルユルとあたしの頬に手を伸ばす。
「ぷっちゅん」
さすがに、5月と言えどお風呂上りにショート
パンツで夜外に出てればくしゃみの一つぐらい
しちゃうわけで、鼻水が出たのでポケットから
ティッシュを出した。
「えええええっー、今の何だし。」
「風船の割れた音かと思ったー。」
「心臓に悪い音だったしねー。」
トリオめ。
鼻水を丸めたティッシュを3個投げつけた。
「ちょー、きったねぇー。」
「女の子ではあるまじき行動。」
「ヒヨリン、マジで着いた。」
そんなあたしを気に掛けるのは、
「ヒヨリン、上ってよりは下が寒そうだなっ。」
「シャツでも巻いてみる?」
ナル君と馨君万歳!!
「足を丸出しなだけで大したことないと思う。」
そこまで寒くはない。
夜風が涼しくて気持ちいい。
結局、慶詩の巻いていたチェックのシャツを
下半身に巻きつけた。
「どうだっ?」
慶詩って意外なところがある。
「だいぶ風避けになったと。」
一番貸してくれなさそうだった。
さっきまでウザいぐらいにからかって
きたのに意外といいところがあるなと
見直してみた。
「ありがとう。」
やっぱり、お礼の気持ちは伝える
べきだと思った。
「おうっ、感謝しろよな。
たまたま俺様が必要なかっただけだからよ。」
あー、そうかい。
まぁ、いいや。
気にかけてもらったからには礼の一つぐらい
言っとくべきだもんね。

