Hurly-Burly 【完】


そんなヒヨリンを誰よりも大事に思ってる

サユリンが言うことだ。

「だから、言ってんじゃない。

あの子に酷いことしたらただじゃおかない。

あの子が止めてもあたしは許さないわよ。

あたしの大事な親友を勝手に横から分捕った

罪は大きいんだから。」

そうだよな。

俺たちに構ってくれるばっかりだったもんな。

サユリンにも寂しい思いさせてたんだろうな。

「日和ちゃんのことそんなに好き?」

馨はクスッと笑いながらサユリンを見つめる。

「当たり前じゃない。

あの子より好きな自信があるわ。」

照れもせず言えるなんてすごいと思った。

俺はここに居る6人が好きだけどそれを

言葉にするのはさすがに照れる。

「そっか、そうだよね。

ごめんね、勝手に横から攫って。」

馨がサユリンを真剣に見つめる。

「・・・いいの。

日和、今が一番楽しいみたいだから。

自分を押し殺してばっかりのあの子が

自由に笑っていられるならあんたらみたいな

不良にあたしの親友少しぐらい貸してあげる。」

ヒヨリンはいい友達を持ったと思う。

いろんな人に大事にされてる。

それもびっくりするよな人たちからも。

そんなヒヨリンを最初からよく思って

いたわけでもなかった。

最初は、学校からの回しもんだと思って

警戒してたけど、ヒヨリンはそんなこと

ぶち壊してきた。

怖がられてばかり居た俺たちをちっとも

怖がらずにそれが普通だと言ってプリント

を届けにやってきただけだった。

何気なくもそれをやってのけてくれる

人なんて今まで居なかった。

怖がらずに俺たちに接してくれるヒヨリン

に懐かないわけなかった。